作業時間を半減…山岳トンネル工事、鹿島が2ノズルでのコンクリ吹き付け自動化
鹿島は山岳トンネル工事で、二つのノズルを使ったコンクリートの吹き付け作業の自動化に成功した。1ノズルによる「自動吹付けシステム」と、エレクター(把持装置)付き2ノズル吹き付け機を組み合わせた。技能者2人が二つのノズルを使って実施していた吹き付け作業が、キャビン(操作室)内のオペレーター1人で対応可能になる。作業時間も半減し、生産性の大幅な向上につながる。
自動吹付けシステムにエレクターによるノズルの可動範囲制限を加え、左右のノズルが吹き付け動作を効率的に行うようにプログラムを改良した。また自動吹き付け作業中はエレクターと左右ノズルのブーム挙動を監視し、衝突を防ぐ機能などを実装した。
これによりオペレーター1人が二つのノズルを使う効率的な吹き付け作業を実現。従来の1ノズル自動吹き付けと比べて、作業時間を約半分に短縮できることを実証した。
さらに、同システムで培ったノウハウを支保工の建て込み作業に応用した「建込みガイダンスシステム」を開発。エレクター付き2ノズル吹き付け機を組み合わせて施工することで遠隔操作による支保工の建て込みが可能となり、安全性の飛躍的な向上が見込める。
日刊工業新聞 2024年6月13日