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「歩掛」20%向上、鹿島が型枠工事向け新工法

鹿島は建物の躯体などを構築する型枠工事向けに、技能者の身体的負担の軽減や作業時間の短縮が可能な「型枠一本締め工法」を開発した。使用するパイプの軽量化や本数の削減、施工方法の簡素化により、一つの作業にかかる手間を数値化した「歩掛」を在来工法に比べて約20%向上。運搬に伴う二酸化炭素(CO2)排出量の削減など環境負荷の低減にもつながる。

鹿島と岡部、丸久(福岡県志免町)、楠工務店(東京都杉並区)の共同研究。新型アルミニウムパイプの採用により、在来工法の鋼製パイプに比べて大幅な軽量化と高強度化を実現した。柱・壁工事では、パイプの使用本数を在来工法の2本1組から1本に半減できる。

アルミパイプをつなぐパイプジョイントを開発し、かぶせてはめ込むだけの簡単施工を実現した。また、ロの字型の新型フォームタイ(写真)を開発。下のボルトにアルミパイプを預けられるため、締め付け時にパイプを片手で支える必要がなく、両手で安定した作業が可能となる。

すでに全国10件以上の現場に同工法を導入し、生産性の向上効果を確認している。

日刊工業新聞 2024年06月04日

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