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積載量増で効率運送支援…ダイムラー、米向けEVトラックに2モデル

積載量増で効率運送支援…ダイムラー、米向けEVトラックに2モデル

積載量を増やしたEVトラックを追加することで顧客の効率配送を支援する

独ダイムラー・トラックは米国市場向けの電気自動車(EV)トラックに、車両総重量(GVW)を現行モデル比約388キログラム増の約8・5トンにし積載量を増やした2モデルを追加した。子会社の三菱ふそうトラック・バスがOEM(相手先ブランド)供給する。既に受注を始めており、納車は2024年10―12月期を予定する。顧客の評価を基に、車両の仕様に最適なGVWを備えた。一度に運べる荷物量を増やして顧客の効率運送を支援し、拡販につなげる。

ダイムラー・トラックのEV最新ブランド「RIZON(ライゾン)」に、GVW約8・5トンでバッテリーパックを二つ搭載する「e18Mx」と、同三つ搭載する「e18Lx」の2モデルを加えた。

既存モデルはGVW約7・2―8・1トンで搭載するバッテリーパック数が異なる「e16M」「e18M」「e16L」「e18L」の四つをそろえていた。航続距離はバッテリーパック3個搭載のモデルで最大約257キロメートル。このうち「e18M」「e18L」について在庫がなくなり次第、新モデルに集約する。

RIZONは米国市場で中型トラックセグメントの「クラス4」「同5」に分類される。新モデルではパワートレーン(駆動装置)と高電圧電気機器について8年間・約19万3000キロメートル走行、バッテリーについては8年間・約29万7000キロメートル走行の保証パッケージを標準で設定。同保証の内容はクラストップレベルという。

カリフォルニア州から納車が始まったRIZONは、バンボディーや冷蔵配送車などあらゆる架装に対応可能。回転半径が狭く、都市配送に向く。「(顧客の)反応は非常に良い」(三菱ふそうトラック・バス)という。

米ベロシティー・ビークル・グループ(カリフォルニア州)のディーラー「ベロシティーEV」が販売やサービスを担い、米国やカナダで拡販する方針だ。北米ではいすゞ自動車も、24年に小型トラック「Nシリーズ(日本名エルフ)」のEVモデルの発売を決めている。


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日刊工業新聞 2024年6月12日

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