三菱ふそうが大型トラック全面刷新、搭載した新開発エンジンの性能
三菱ふそうトラック・バスは、6年ぶりにフルモデルチェンジした大型トラック「スーパーグレート=写真」を年内に国内で発売する。新開発のエンジンやキャブ(運転席)の形状変更などで燃費性能を改善し、2025年度を目標年度とする重量車の新たな燃費基準「JH25モード」を達成した。親会社独ダイムラー・トラック製のエンジンを輸入し川崎製作所(川崎市中原区)で組み立てる。
キャブルーフを高く設計して荷箱前面の空気抵抗を減らしつつ、インテリアでは頭上の荷物入れとして使い勝手を良くした。安全面では運転席側にも障害物を検知するシステムを追加。車両両側の側方障害物警報が可能となった。
新開発のエンジン「6R30」は排気量12・8リットルで従来の同10・7リットルから向上。二酸化炭素(CO2)排出量削減や軽量化を背景にエンジンはダウンサイジングする傾向にあるが、走りと燃費性能を実現するため17年に搭載をやめた12・8リットルエンジンを復活させた。
エンジンの圧縮比の増大とターボチャージャー(過給器)の改良により熱効率を改善。オイルフィルターモジュール内蔵のバルブで油圧を適正に制御し、オイルポンプ駆動トルクを下げたことなどでエンジンの燃費性能を改善した。
自動変速機(AMT)との組み合わせで力強くストレスのない走りを実現した。
日刊工業新聞 2023年10月26日