伝送速度2倍、航空電子が「統合ECU内コネクター」新製品
日本航空電子工業は統合ECU(電子制御ユニット)内で使うコネクター「MA02シリーズ」の試作品を開発した。設計や素材の工夫や最適化により同社従来品比2倍の毎秒16ギガビット(ギガは10億)の高速伝送に対応した。自動車の先進運転支援システム(ADAS)の普及と並行して需要が増えている高速伝送化に対応する。2024年度内の発売を計画。国内外のECUメーカーや自動車の1次サプライヤー(ティア1)などに提案し、月間40万―50万個の販売を目指す。
日本国内での生産を予定する。製品価格は今後詰めるが、従来品「MA01シリーズ」比1―2割程度、高くなる見通し。現在、一部の顧客からの評価を受けている段階。
MA02シリーズは統合ECU内のメーン基板と、システムオンチップ(SoC)を実装した基板をつなぐ。端子間の距離を従来品の0・635ミリメートルに対し0・5ミリメートルとし、コネクターを小型化、高密度化した。統合ECU自体の小型化の潮流にも対応できるようにする。
また、電源端子を搭載。使用温度範囲はマイナス40度C―プラス125度Cに対応する。嵌合(かんごう)時の高さは20ミリ、22ミリ、24ミリ、26ミリ、30ミリメートルの範囲で調整できる。MA01シリーズと並行して販売する計画。
ADASの性能向上のためには情報の伝送速度を上げる必要があり、高速伝送への対応がコネクターにも求められていた。さらに、メンテナンスのしやすさなどの観点でメーン基板とSoCを載せた基板を別々に設ける傾向があることから、両基板をつなげるコネクターの重要性が高まっており、新製品の開発を決めた。
【関連記事】 2024年「超モノづくり部品大賞」の応募受付を開始
日刊工業新聞 2024年06月07日