三井化学子会社がドローン部材参入、軽量・低騒音プロペラを訴求
アーク(大阪市中央区、下郡孝義社長)は、飛行ロボット(ドローン)関連分野に参入する。プロペラ部品であるドローンブレードをすでに開発しており、今後数年内にも商品化する。親会社の三井化学の素材「TAFNEX」を使用し、軽量・高剛性や低騒音などの特性を訴求。国家安全保障などを背景に、ドローンメーカーで拡大する国産部品採用の動きを取り込む。
アークが開発したブレードは全長約71センチメートル、重量170グラム。可搬重量5キログラム程度の物流ドローン機体への装着を想定する。空撮用機体よりサイズが大きい分、高推力・低騒音のメリットを生かせる。また衝撃を受けても破片が飛び散りにくいため、ドローン飛行の安全性向上が見込める。
三井化学のTAFNEXは、炭素繊維とポリプロピレンを複合化した一方向テープ。
成形性に優れており、自動車や家電で培ったアークの設計、加工技術を生かすことで他社製部品と差別化を図る。
ドローン業界では東光鉄工(秋田県大館市)が日本航空電子工業、ミネベアミツミの国産部品採用を打ち出したほか、エクセディもモーターやプロペラなどの部品事業を強化するなど、部品でも国産を強調し拡販を図る企業が増えてきている。
アークは1948年に大阪市阿倍野区で木製品の製造で創業。その技術を生かしデザインや設計、試作・製造などで大手メーカーの自動車や家電の開発支援を手がけており、2020年に三井化学の完全子会社となった。
日刊工業新聞 2023年08月03日