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銀メッキ膜の摩耗を大幅に抑えるスゴいEV端子向け新技術

銀メッキ膜の摩耗を大幅に抑えるスゴいEV端子向け新技術

新技術「ウェアゼロ」を適用した端子(日本航空電子工業提供)

日本航空電子工業は、電気自動車(EV)の電気接続部の銀メッキ膜の摩耗を大幅に抑える新技術「wearzerO(ウェアゼロ)」を開発した。同技術は高い導電性と耐摩耗性を両立するコンタクト(端子)を実現。メッキ材の省資源化や、メッキ工程の省エネルギー化につながる。今後、EV向け充電プラグや車載パワーライン系コネクターに適用し、製品化を進める方針。

EV充電時に大電流を流す際、電気接点での損失を防ぐために電気抵抗の低い銀メッキが使われる。だが銀メッキ膜はやわらかいため、繰り返しはめ合うことで摩耗し、電気特性などが悪化する課題があった。

新技術のウェアゼロは、銀メッキ膜の摺動部に特殊な界面構造を形成することで、銀メッキ膜の摩耗の原因となる銀同士の凝着を制御するもの。標準的な軟質銀を数マイクロメートル(マイクロは100万分の1)メッキした電気接続端子にも適用できるため、銀の使用量が少なくて済み、省資源化につながる。

また、複合銀メッキは製造工程が複雑だが、新技術を適用することで複合銀メッキと比べ製造にかかる時間を削減できるという。

日刊工業新聞2022年5月5日

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