30年に100万台…ジヤトコ、中国で電動ユニット生産
ジヤトコは2025年3月末までに、中国で電動自転車用と電動バイク用のドライブユニットの生産開始を目指す。まず電動自転車用が年産10万台、電動バイク用が同20万台の規模で生産する。30年には合わせて同100万台程度に拡大し、売上高全体の10%を占める事業規模に育成する。25年には日本で電動駆動装置「eアクスル」の生産も予定しており、電動化関連事業を一段と加速する。
中国で生産するのは電動アシスト自転車用ドライブユニットと、電動バイク向け2速自動変速インホイールモータードライブユニット。どちらもジヤトコ(広州)自動変速機で生産する。無段変速機(CVT)の生産ラインを流用するため、大きな追加投資はないという。
電動アシスト自転車用ドライブユニットは韓国自転車メーカーのマイベロ(順天市)に供給する。3月から検証用ユニット50台を順次供給しており、性能評価を行っている。
バイク用は中国の電動2輪向けドライブユニットメーカーの浙江九洲新能源科技(泰州市)と共同で開発。車輪に2速自動変速を内蔵したインホイール構造で、走行性能を高めた。「いずれも技術的な優位性を持つ」(佐藤朋由ジヤトコ社長)としている。
CVT世界シェアトップのジヤトコは、成長の軸足を電動化向け製品に置いている。eアクスルは25年3月をめどに、富士工場(静岡県富士市)で年産10万台規模の立ち上げを計画。30年までに同500万台の目標を掲げる。
主力のCVTは30年度に同150万台程度と予想し、需要縮小を見込んでいる。市場拡大が期待される電動向け製品の強化で「31年3月期にも、現在の連結売上高6000億円を超えることも可能」(同)と見通す。
【関連記事】 EVでも成長を目指すオイルシールメーカーの圧倒的強さ
日刊工業新聞 2024年6月5日