第6世代ガラス基板対応…キヤノン、車載・スマホ向けFPD露光装置発売
キヤノンは第6世代ガラス基板に対応したフラットパネルディスプレー(FPD)露光装置「MPAsp―E1003H」を6月上旬に発売する。今後車載向けにも、スマートフォン並みの薄型・軽量で高精細なディスプレーが求められると見込み、同製品を投入する。製造するディスプレーの品質は維持しながら、一度に露光できる幅を拡大するなどし、効率的に生産できるようにする。
新製品は第6世代と呼ばれる中小型のディスプレーの製造に対応する。従来と比べ一度に露光できる幅を約1・2倍に拡大しながら、重ね合わせ精度を高めるなどし、生産を効率化しながら高精度な露光を可能にした。そのほか、露光パターンに合わせモードを切り替えたり、露光線幅の安定性を向上させたりする機能を備え、品質の安定化にも寄与する。販売価格は非開示。
足元、ディスプレー投資は低調だが、長期的には需要が伸びると同社は見る。電気自動車(EV)などの普及で、車載向けにも高精細なディスプレーの需要が高まると見込む。新規投資やスマホ向けディスプレーのみを手がけていたプレーヤーへ売り込む。
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日刊工業新聞 2024年5月30日