電子機器の誤動作を防止…TDK、ノイズ抑制シート量産
TDKは、電子機器の誤動作の原因となる「ノイズ」を抑制するシートを開発し、量産を始めたと発表した。独自のメッキ処理技術などを用いることで、同社従来品のフェライトシートと比べ厚さを約80%減の0・006ミリメートルとした。電子機器の小型化が進む中、シートを設置しやすくする。サンプル価格は消費税抜きで1枚当たり4500円。日本国内で生産する。12月までは月産1000枚、2025年からは同1万枚に増産する計画。
車内のディスプレーや無線充電器のほか、スマートフォンをはじめとする電子機器の内部に貼り付けて使う。アキレス(東京都新宿区)と共同開発したナノ分散ポリピロール液と、TDKのメッキ処理技術を組み合わせたことでシートを薄くすることに成功した。
また新開発したノイズ抑制シートには、ノイズの吸収のしやすさを示す「透磁率」が大きいパーマロイ合金を採用したことで、低周波から高周波までの幅広い帯域でノイズの対策を行える。
シートの大きさは縦300ミリ×横200ミリメートル。顧客の要望に合わせて大きさを変えられる。電子機器内にシートを貼り付けやすくするため、両面テープをシートに付けた状態での提供もできる。
日刊工業新聞 2024年05月17日