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パナソニックHDの通期見通し、増収営業増益も車載電池は実質赤字続く

単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス。配当がある場合の上段カッコ内は前の期の実績、下段通期見通し

パナソニックホールディングス(HD)が9日、2025年3月期連結業績(国際会計基準)が増収営業増益になると発表した。ただ成長分野の一つと位置づける車載電池事業が電気自動車(EV)市場の鈍化などの影響で減収となるなど、売上高はほぼ横ばいにとどまる見通し。営業利益は前期比5・3%増の3800億円を見込み、2期連続で増益の見通し。

車載電池事業は米国のインフレ抑制法(IRA)による補助金を除いた調整後営業損益では17億円改善しながらも2期連続で赤字と予想する。新工場にかかる費用が既存工場の収支改善などを相殺する。中長期的には成長を見込むが、短期的には北米EV市場の拡大ペースが鈍化する懸念などもある。国内や米国の新工場にかかる先行費用がのしかかる。電気自動車(EV)の米テスラが減速する中、注力市場の車載電池需要を取り込み続けられるかが成長のカギを握る。

そのほかのセグメントでは、コネクトのサプライチェーン(供給網)管理システムなどや、電子部品などのインダストリーで増販による増益を見込む。

梅田博和グループ最高財務責任者(CFO)はEV需要の動向に対して「地域別に見なければ見誤る」と説明。同社が注力する米国でIRA補助金の各要件をクリアしていることから「24年度は(電池工場の)ギガファクトリーがまだまだ供給できる。米カンザスの工場も中期的に立ち上げ、コスト力を磨きながらやっていきたい」と強調した。

同日発表した24年3月期連結業績は、売上高が前期比1・4%増の8兆4964億円、営業利益が同25・1%増の3609億円。オートモーティブやコネクトが伸びた。


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日刊工業新聞 2024年05月10日

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