屋外画像の悪天候、AIで除去…パナソニックが米中の大学と開発
複数種に対応、防犯カメラなど向け
パナソニックホールディングス(HD)は米カリフォルニア大学バークレー校や中国の南京大学、北京大学と共同で、屋外の画像から雨や雪、霧などの影響を除去して画像認識精度を高める悪天候除去人工知能(AI)を開発した。複数の悪天候の影響を受けた画像の認識で、従来の約3分の1のパラメーター数で推論時間を39%以上節約し、精度も向上した。危険検知用の車載センサーや屋外の防犯カメラなど、全天候で高精度の画像認識が必要な現場で活用を見込む。
従来の悪天候除去AIは天候の種類ごとに異なるAIモデルを準備する必要があったり、計算量が多く実用性に課題があったりした。今回のAIは異なる天候のパラメーターを重みで表現することにより、一つのモデルで複数種類の天候に対応する。
画像認識においては雨、雪、霧などの悪天候が画像中の物体の見えを大きく変化させ、認識精度を下げることが課題とされている。特定の悪天候の除去作業に特化したAIモデル(エキスパートモデル)を構築する取り組みは一定の成果を見せているが、現実世界には複数の天候が混在する悪天候が存在し、より信頼性の高い判断が求められる。
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日刊工業新聞 2024年03月06日