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東南ア―欧州、船より早く…ヤマトが陸上一貫輸送サービス

ヤマトホールディングス(HD)は1日、東南アジア―欧州間でトラックと鉄道による国際複合一貫輸送サービスを始めると発表した。海上輸送や航空輸送に次ぐ新たな輸送手段として提案する。緊迫した中東情勢が続く中、地政学リスクに備えた強靱(きょうじん)な供給網の構築を支援する。

具体的には、東南アジア―中国間の輸送にマレーシアのグループ会社が持つトラック輸送網を活用、中国―欧州間の輸送にパートナー企業の鉄道輸送を活用し、目的地までシームレスに輸送する。物量に応じてコンテナ貸し切りまたは混載で輸送する。喜望峰を経由する海上輸送の半分の日数で輸送できる。航空輸送よりもコストは低く、環境負荷も低減できる。

2023年末ごろからの紅海周辺での武装組織による船舶攻撃を受け、東南アジア―欧州間の海上輸送は最短の紅海ルートから喜望峰ルートへの変更を余儀なくされている。輸送期間は最大約20日間延び、輸送コストも上昇している。

サービスの流れ (タイからドイツへの国際複合一貫輸送) ヤマトHD提供
日刊工業新聞 2024年5月2日

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