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世界スマホ市場で中国勢が躍進、日系電子部品メーカーへの影響は?

世界スマホ市場で中国勢が躍進、日系電子部品メーカーへの影響は?

シャオミの「Redmi 12 5G」

世界のスマートフォン市場で中国勢が躍進している。中国の華為技術(ファーウェイ)のほか、小米(シャオミ)や伝音控股(トランシオン)、オッポなどの存在感が増し、米アップルを追う。価格を抑えつつ、性能を維持した「コストパフォーマンスのよさ」がシェアを伸ばした理由の一つだ。日本国内でも中・低価格帯スマホに対する需要が増える可能性があり、こうした潮流はスマホに部品を供給する日系電子部品メーカーにも影響を及ぼしそうだ。(阿部未沙子)

世界のスマホ市場での占有率

米調査会社のIDCが4月に発表した1―3月の世界スマホ市場の占有率でみると、韓国サムスン電子が首位の20・8%、次いでアップルが17・3%、シャオミが14・1%、トランシオンが9・9%、オッポが8・7%と続いた。

サムスン電子、アップル、シャオミがトップ3を独占する状況は23年1―3月から変わらない。ただ、サムスン電子とアップルが前年同期から出荷台数を減らしたのに対し、シャオミは前年同期比33・8%増の約4000万台。さらにトランシオンは同84・9%増の約2800台に伸長した。

MM総研(東京都港区)の横田英明取締役副所長は中国勢の躍進を「コスパが非常に高いため」と分析。カメラといった性能と価格のバランスがとれているとみる。「(5万―8万円ほどの)ミドルレンジのスマホが伸びている」と語る。

さらに、躍進の一因として「スマホを中心としたエコシステム(生態系)を創出しようとしている」(横田取締役副所長)点を指摘する。実際、シャオミは家電製品や電気自動車(EV)も手がける。

25日には、ソフトバンクがシャオミ製のスマホ「Redmi 12 5G」を国内で発売する。「高コスパスマホ」を顧客に訴求している製品だ。

一方、国内は海外と異なる様相を見せる。MM総研によると、23年の国内スマホ市場の占有率は首位がアップル、その後にシャープ、米グーグルが続いたようだ。ただ「日本でも中国勢のシェアは伸びつつあり、今後も伸びる可能性がある」(横田取締役副所長)と推測する。

為替の円安などの影響でスマホの単価が上昇傾向にあることに加え、23年12月から電気通信事業法が省令改正され端末単体の割引が規制されたことも、中・低価格帯スマホのシェア拡大の追い風となる見通しだ。

他方、中・低価格帯スマホへの引き合いの増加は、サプライヤーにも影響を及ぼしかねない。例えば、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の搭載個数は高価格帯スマホに比べ、中・低価格帯スマホの方が少ない。横田取締役副所長は「部品メーカーにも少なからず影響が出てくるのではないか」とみる。

中国勢が得意とする中・低価格帯スマホは多くの消費者にとって買いやすくデジタルデバイド(情報格差)の解消にもつながる。ただ、高価格帯スマホのシェア縮小が電子部品メーカーに与える影響も注視する必要がある。


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日刊工業新聞 2024年4月25日

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