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IHI子会社がデータ改ざん、舶用・陸用エンジン

IHI子会社がデータ改ざん、舶用・陸用エンジン

会見するIHIの盛田英夫副社長(右)とIHI原動機の村角敬社長

IHIは24日、船舶用エンジンなどを製造する連結子会社のIHI原動機(東京都千代田区)が2003年以降、エンジン製品の出荷時に顧客に提出する燃料消費率のデータを改ざんしていたと発表した。03年以降に製造・出荷された船舶用エンジン2046台、陸上用エンジン12台が仕様値を満たしていなかった。

同日会見したIHIの盛田英夫副社長は「深くおわび申し上げる」と謝罪した上で、航空機エンジン整備の検査不正が発覚した19年以来「コンプライアンス意識の向上に不断の取り組みを続けてきたが、道半ばであったと認めざるを得ない」と語った。

2月下旬にIHI原動機の従業員から申告を受け、社内調査を実施。IHI原動機の新潟内燃機工場(新潟市東区)と太田工場(群馬県太田市)においてエンジンの試運転で計測した燃料消費率の実測値を記録する際、不適切に書き換えていたことを確認した。対象の職場には実測値の記載を指示し、現在は是正されている。

IHIによると、現時点で各種エンジンの試運転、実用時に安全性に疑義が生じる事案は確認されていない。今後、特別調査委員会を設置して原因究明や再発防止策の策定を進める方針だ。


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日刊工業新聞 2024年4月25日

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