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アナログ・デジタル制御の利点融合…ロームが提供する電源用評価基板の強み

アナログ・デジタル制御の利点融合…ロームが提供する電源用評価基板の強み

提供を始めたリファレンスボード

ロームはアナログ制御とデジタル制御の利点を融合した電源用リファレンスボード(評価基板)の提供を始めた。アナログ制御では実現が難しい高機能を、従来と同等のコストで実現した。コア部品となる電源向けマイコンを開発、6月に量産およびサンプル提供を始める。産業用ロボット機器や半導体製造装置、第5世代通信(5G)基地局などへの展開を想定する。今後ラインアップを拡充し、関連事業で10年後に年間売上高150億円を目指す。

ローム独自の設計思想「ロジコア」の第1弾製品。アナログ回路の性能を最限引き出すためにデジタル要素を融合し、電力活用の効率化に貢献することを狙う。同思想を使った電源は、アナログ制御の特徴である低コストや低消費電力と、デジタル制御の特徴であるログ取得などの機能性を両立。50ワット―1キロワット領域で強みが生きるとみる。

ローム調べではアナログ制御とデジタル制御を組み合わせた電源はない。まずはロジコアの設計思想を提案するため、すでにリファレンスボードの提供を始めた。今後リファレンスボードのラインアップも拡充予定で、8月ごろに産業用ロボット機器や半導体製造装置などに向くボード、10月以降に5Gなどの基地局に向くボードの提供を始める計画。

コア部品となるマイコンは4種類を用意する。サンプル価格は未定。プログラム格納容量は16キロバイトと32キロバイトの2種類を用意。それぞれに2種類のパッケージ形状を用意した。マイコンの量産は前工程を子会社のラピスセミコンダクタ宮城工場(宮城県大衡村)で、後工程をロームのタイ工場で行う。


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日刊工業新聞 2024年04月23日

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