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クボタが一部鋳物部品から撤退する背景

クボタが一部鋳物部品から撤退する背景

※イメージ

クボタは製鉄所や製紙会社向けに供給している一部の鋳物部品の製造から2024年中にも撤退する。鋼板や紙原料のパルプを搬送するためのロールや、圧延時の鋼板を巻き取るコイラードラムの販売を終了する。事業規模は約20億円。鉄鋼業界や製紙業界の国内市場縮小による需要減や、クボタの生産設備の老朽化などを勘案して決めた。

鉄鋼業界は国内市場の縮小で高炉が減っており、鋳物部品の需要減が鮮明となっていた。また同製品を製造するクボタの枚方製造所(大阪府枚方市)の加工設備も老朽化しており、事業存続には今後大規模な投資が必要となることも課題だった。22年には阪神工場尼崎事業所(兵庫県尼崎市)で製造していた圧延用ロールの製造・販売からも撤退している。

枚方製造所では化学プラント向け反応管の鋳物部品なども製造しており、引き続き熔解、鋳造の上流工程は存続する。

クボタの鋳物製品は、水道管のダクタイル鋳鉄管や産業用エンジン部品向けが主力。

日刊工業新聞 2024年04月22日

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