容量は鉛蓄電池の2倍…亜鉛二次電池、KDDIが基地局のバックアップ電源へ実証
KDDIは11日、日本ガイシで開発中の亜鉛二次電池を携帯通信基地局のバックアップ電源設備に用いる実証試験を始めたと発表した。亜鉛二次電池の重量は、多くの基地局で用いる鉛蓄電池の半分のため設置場所を増やせる。同じ大きさで2倍の容量があることから基地局の稼働時間を長時間化し、最長72時間まで伸ばせる。
実証では、実環境で1年間運用し、四季の温度・湿度環境の変化を通じた動作確認や停電試験などを行う。
バックアップ電源設備は災害時などの長時間停電対策として効果的な一方、建物の耐荷重制限で設置・増設できないことが課題だった。亜鉛二次電池は有害な鉛を含まず、発熱のリスクがないことから設置工事を簡易化でき、第5世代通信(5G)エリア拡大への寄与も期待できる。
日刊工業新聞 2024年月4月11日