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自動車産業で循環経済実現へ、デンソーなど実証する解体技術の中身

デンソーやUACJ、野村総合研究所、三井化学早稲田大学などは9日、使用済み自動車をリサイクルし、再び自動車として活用するために必要な解体や再利用に関する技術の確立に向けた実証を始めたと発表した。実証期間は2025年1月末まで。自動車産業におけるサーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を目指す。

デンソーなどは使用済み自動車(ELV)の処理手法である「自動精緻解体プロセス」の確立に取り組む。具体的には、解体データの取得や解体で抽出された素材の高純度化、再生材を用いた自動車部品評価、二酸化炭素(CO2)排出量削減効果の評価支援などを進める。同実証は、環境省の「23年度自動車リサイクルにおける再生材利用拡大に向けた産官学連携推進事業」の一つに採択された。

自動車業界では再生材の利用拡大を実現し、資源の使用量を抑制する動きが活発化する。ただ、現状はELVを破砕し、材料ごとに再生材にする手法が採用されている例が多いため、製品を同じ製品にリサイクルする「水平サイクル」の実現は一部にとどまる。また、使い終わった製品を回収・再販し、再流通させる仕組みも不十分となっている。


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日刊工業新聞 2024年4月10日

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