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旅行業界から不正根絶、JATAが再発防止へ一手

旅行業界から不正根絶、JATAが再発防止へ一手

会見する高橋会長

統制強化、懲戒規定を整備

日本旅行業協会(JATA)がコロナ禍で多発した会員旅行会社による不正請求・受給問題を受けて再発防止に乗り出した。今後、問題発生時に除名を含む厳しい処分を行うほか、経営層と支店との対話強化や人事制度改革などを各社に提案し、意識改革を促す。旅行需要が回復する中、「観光立国」の一翼を担う業界として襟を正すことが求められる。(梶原洵子)

※自社作成

JATAの高橋広行会長(JTB会長)は27日都内で会見し、「旅行業界から不正事案を根絶すべく取り組む」と決意を語った。コロナ禍で経営が悪化する中、近畿日本ツーリストをはじめ、多くの旅行会社が不正を行った。JATAは2023年12月に外部の専門家からなる有識者委員会を設置し、原因分析や再発防止策を検討していた。

有識者委員会は不正の原因として、旅行業以外の受託事業の知識不足や利益を過度に指向する風土、コンプライアンス(法令順守)軽視の姿勢などを指摘。研修の拡充や意識・風土の改革、不正を防止する業務管理体制の整備を提案した。

そこでJATAは内部統制の強化のため、懲戒規定を整備し、問題発生時に除名を含む厳しい処分を行う。除名の場合は省庁から最新情報を得にくくなり営業活動に影響する。各社に法令順守の取り組みを加味した人事評価制度の提案も行う。

また、支店での不正に着目し、会員各社に支店との対話強化や電子システムを活用した業務管理によるチェック機能の強化を促す。談合の温床と疑われないように、JATA地区委員会は廃止を含め組織改編する。

足元で旅行需要は回復し、不正発生時とは事業環境が変わった。高橋会長は「気が緩んではいけない」と、好調な時こそ法令順守の徹底を呼びかける。

日刊工業新聞 2024年03月28日

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