CFRPとアルミ一体化したモノコック、トヨタなどと共同製作したTISMの技術力
TISM(愛知県春日井市、兒島成俊社長)は、トヨタ自動車などと共同で、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とアルミニウムを一体化したモノコック(車体造形)を製作した。同モノコックで、複合材料開発の革新的な共同プロジェクトを表彰するフランスの賞を受賞した。同モノコックは参照設計が45キログラムだったが、素材と工法の工夫により約15%減の軽量化に成功した。繊維材の廃棄率低下やコストの削減にも寄与する。
TISMとトヨタ自動車のほか豊田中央研究所、トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(横浜市港北区)が複合材料を活用したモノコックの製作に参加。仏JECグループによる「JEC・コンポジット・イノベーション・アワード」で自動車や輸送に関する部門賞に輝いた。
TISMは工業用刺しゅう機を手がけるタジマ工業グループの1社で、刺しゅう機や多機能ミシンの開発・製造を担う。約2年前にトヨタなどとモノコックの実験をスタートした。従来のCFRPは積層による成形が一般的だが、TISMは繊維束をコンピューター制御したミシンで配置する技術「TFP工法」を持っており、炭素繊維を基材に縫いとめることができる。これにより繊維を自由・最適に配置し、必要な剛性を生み出せる。
同社は今後もTFP工法を使用した実験や研究を、トヨタをはじめさまざまな企業と進める方針だ。
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日刊工業新聞 2024年03月13日