補給品ライン面積10分の1、東海理化が協働ロボットで実現した効果
東海理化は豊田工場(愛知県豊田市)で、シートベルト部品の補給品の組み付けラインに協働ロボットを導入し、従来比約10分の1の省スペースを実現した。生産量に対して過大なスペースを使っていた問題を解消し、場所の有効活用につなげた。同工場の事例を皮切りに、全社的に協働ロボットの活用を拡大する。
豊田工場で手がけるシートベルト巻き取り装置のうち、量産が終了した補給品のラインに協働ロボットを導入した。従来は量産品と同様、産業用ロボットを多数用いた自動ラインで生産していたが、数量が少なくバラつきもありムダが発生していた。そこで協働ロボットを2台設置し、少量かつ多品種に対応可能な汎用ラインとしたことで、生産スペースを約160平方メートルから約15平方メートルに縮小できた。空いたスペースは新製品の量産などに充て、競争力を高める。
同ラインでは330品番の補給品を生産している。協働ロボットは台湾・テックマンロボット製「TM5―900」を使用。作業員が1人常駐し、使用する部品の配膳や簡単な組み付けまで行う。その後はロボット2台で22工程を担い、巻き取り装置を完成させる。
東海理化は設備や工程のサイズ、生産リードタイムなどを半分以下にする「n分の1」活動に取り組んでおり、協働ロボット導入はその一環。豊田工場では補給品の種類の増加に応じて同汎用ラインの追加を検討する。
補給品ラインで一定の成果が出たため、小ロット量産品の組み付けにも協働ロボットの活用を拡大。既に本社工場(愛知県大口町)の電子制御ユニット(ECU)製品のラインで稼働済み。4月に音羽工場(同豊川市)のキーセット関連部品のラインにも設置する。
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日刊工業新聞 2024年03月12日