船底防汚塗料を成果払いに、丸紅が解消する船主の懸念
丸紅は、成果払い方式による船底向け防汚塗料の販売を開始したと発表した。船主は割安な一般塗料相当の価格を最初に支払い、摩擦抵抗の増加を抑えられる新塗料の使用後に燃費改善額の一部を追加で支払う。初期費用や燃費改善効果に対する船主の懸念といった課題を解消する新塗料の販売を推進し、海運業界で高まる温室効果ガス(GHG)の排出削減ニーズを取り込む。
丸紅は、船主が最初に負担する一般塗料相当額と新たな防汚塗料価格の差分を塗料メーカーに支払う。船主は実際に燃費改善効果が確認できた場合に限り、過去の燃費実績と比較した改善額の一部を丸紅に支払う。
防汚塗料は船底に塗布することで汚損による摩擦抵抗の増加を抑制できる。丸紅は自社保有船に防汚塗料を塗布して3年間の航海で効果を検証し、一般的な塗料に比べ約5―15%の燃費改善が見込めることを確認した。
海運業界では、国際海事機関(IMO)が2050年までにGHG排出量を08年比で半減する目標を設定したことで、燃費改善などの環境対応ニーズが高まっている。
日刊工業新聞 2024年02月22日