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道路の危険を可視化…KDDIとトヨタが提供するAIシステムでできること

道路の危険を可視化…KDDIとトヨタが提供するAIシステムでできること

交通事故の危険度を数値化す、事故の未然防止に役立てる(イメージ)

KDDIトヨタ自動車は20日、道路上の危険度を人工知能(AI)で分析し可視化するシステム「危険地点スコアリング」の提供を2024年春に始めると発表した。両社が持つ人流や車両などのビッグデータ(大量データ)と、過去の事故情報などのオープンデータをAIで解析する。自治体や企業などでの利用を想定。可視化したデータを基にして道路標識を新設するなど、効果的な交通安全対策に役立ててもらう狙いだ。

具体的には約10メートル四方単位で危険度をリスクの高さごとに色分けをして可視化する。KDDIの人流情報とトヨタの車両情報のほか、道路特性や交通事故発生件数などの公開情報をAIで分析し、交通事故の危険度を導き出す。各地点における高齢の歩行者・自転車利用者の割合や、自動車の急ブレーキ発生率などの危険要因も確認できるようにする。

20日に都内で開いた説明会でKDDIの門脇誠執行役員経営戦略本部長は、コネクテッドカー(つながる車)向け通信基盤の提供などの実績に触れつつ「付加価値を伸ばし、安心・安全で便利な社会インフラを作っていきたい」と説明。トヨタ自動車情報システム本部情報通信企画部の木津雅文部長は「我々が持っているデータを使うことで社会課題の解決につながるのであれば、ちゅうちょなく取り組んでいきたい」と語った。

日刊工業新聞 2024年02月21日

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