ニュースイッチ

デジタル印刷の後工程強化…リコーが蘭アルビコ買収

デジタル印刷の後工程強化…リコーが蘭アルビコ買収

リコーは商業印刷事業の強化を図っている(カラープロダクションプリンターの旗艦モデル「RICOH Pro C9500」)

リコーはデジタル印刷で製本や裁断といった後工程に関連する装置などを手がけるオランダのAlbyco(アルビコ)を買収した。買収額は非公表。リコーはデジタル印刷機の販売や保守にとどまらず後工程も含めたサービスを強化する狙いで、まずはオランダや周辺国で拡大を図る。ペーパーレス化の潮流に伴ってオフィスにおける印刷量が縮小傾向にある中、多品種少量印刷に対応できるデジタル印刷の市場を深耕して収益拡大につなげる。

アルビコは印刷物の仕上げ加工などに強みを持つ

リコーはアルビコの買収により、ラベルや看板といった商業分野におけるデジタル印刷の後工程サービスを拡充する。製本や裁断、折り目付け、パンチングなどを含めた後処理工程まで一貫して対応する。欧州では版を使わないデジタル印刷の採用が拡大しており、アルビコの本拠地であるオランダを中心にサービスの普及を図る。

リコーはデジタル印刷機の販売や保守サービスなどを担うリコーグラフィックコミュニケーションズ(RGC)事業に注力している。2022年度時点でRGC部門の売上高は前年度比477億円増の2348億円となり、連結売上高の11・0%を占めた。同部門の営業損益は同150億円増の145億円に黒字転換した。

アルビコは1994年創業で、オランダのオーステルハウトに拠点を置く。従業員は25人。ラベルや看板、パッケージなどのデジタル印刷の後工程に強みを持ち、自社ブランドの機械や材料などを手がける。フランスやベルギー、ドイツ、スウェーデンにも輸出するなど、事業を拡大している。


【関連記事】 半導体パッケージ基板で存在感を増す印刷会社
日刊工業新聞 2024年02月19日

編集部のおすすめ