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地方港でSAF導入促進、国交省が一手

地方港でSAF導入促進、国交省が一手

国内定期便で商業生産されたSAFを使用した運航が始まっている(イメージ)

国土交通省は地方空港への持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた実証事業を2024年度に始める。SAFの運搬から航空機への給油までの工程で、作業などを行う上で制度や規制面で支障があるかなどを検証する。政府は30年までに航空燃料消費量の10%をSAFに置き換える目標を掲げる。利用拡大のためのサプライチェーン(供給網)構築に向けて、地方空港での環境整備につなげる。

対象は羽田、成田、関西、中部の主要4空港を除いた地方空港で、既存燃料の一部をSAFに置き換えて運航することを想定。主に輸入したSAFを運搬、航空機に給油する過程を実証する。

24年度早々に公募を始め、数カ所の空港で実施する見通し。応募の主体は、地産地消によるSAF導入を検討する会議隊とし、原料調達から製造・供給、利用までの構想を作成することを応募要件とする。実証を希望する空港が多ければ、25年度も事業の継続を検討する。

24年度予算案に33億円を計上した、航空分野のグリーン施策の推進事業における、運航分野の脱炭素化推進事業の一部として行う。

今回の実証事業は地域での地産地消によるSAF導入支援が狙い。将来的には原料調達から製造・供給、空港での利用まで実現することを目指している。ただSAFの商用化は25年を予定しており、製造体制の整備には時間を要するため、供給面での制度設計の課題を洗い出す。

日刊工業新聞 2024年02月05日

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