パナソニックが空室空調事業の戦略市場を攻める。伊社に出資で進める差別化
パナソニックは1日、イタリアの空質空調機器メーカーのイノーバと資本業務提携を結んだと発表した。イノーバの発行済み株式の40%を取得。住宅用の空調・給湯・換気事業で、技術開発を中心に生産や販売などを含め包括的に協業する。パナソニックにとって従来欧州で十分に展開できなかった換気事業の拡大の足掛かりとなる。両社の技術を組み合わせ、より付加価値の高いソリューションや製品の創出を目指す。出資金額は非公表。
パナソニックは空質空調事業で欧州を戦略市場と位置付け、住宅用のヒートポンプ式給湯暖房機(A2W)を中心に、ルームエアコンや業務用エアコンなどを展開している。一方、イノーバは使用冷媒量を抑えやすい住宅用水循環型機器のファンコイルユニットや全熱交換器などを主力とし、IoT(モノのインターネット)制御システムや、欧州の文化や生活様式に合致したデザインも強みとする。両社は長年、相互調達関係による協業があり、互いの強みや企業文化への理解が深まったことから出資を通じて連携を加速させる。
同日オンラインで会見したパナソニックの小松原宏空質空調社常務は「イノーバは特に室内向け機器を得意としており、連携によって室内と室外の両面からの提案をしやすくなることで差別化が進む」と話した。
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日刊工業新聞 2024年02月02日