耐久性5倍以上の樹脂チューブ、トヨックスが売上高1億円へ
トヨックス(富山県黒部市、中西誠社長)は、現在普及しているシリコーン製に比べ耐久性を5倍以上高めた樹脂チューブを開発した。チューブをローラーで押しつぶしながら回転させることで流体を吸入し、定量を吐出するローラーポンプ向け。食品や化粧品、医薬品業界に売り込む。ローラーポンプ用のチューブは同社として初めての製品。3年後に1億円の売り上げを目指す。
新開発の「食品用ローラーポンプチューブエコフーズPVC」は、改正食品衛生法に完全適合したもので、材料配合の工夫などで強度を持たせた。チューブの交換頻度を減らせるほか、ローラーでつぶされた際の削りカスの発生が少なく異物混入のリスクを軽減できるという。
内径や外径がミリメートル単位のタイプを3品種、インチ単位のタイプを4品種それぞれ揃えた。価格は内径4・8インチ×外径8・0インチタイプで1メートル当たり1470円(消費税抜き)。
2020年6月に改正食品衛生法が施行され、食品用器具・容器包装について、安全性を評価した物質のみを使用可能とするポジティブリスト制度を導入した。25年5月まで猶予期間が設けられており、それ以降は同制度への適合が義務化される。
ローラーポンプ用チューブは海外製が多く、同制度への適合が進んでいないことからトヨックスは商機があるとみる。米食品医薬品局(FDA)認証にも適合しており、海外にも展開する計画だ。
日刊工業新聞 2024年01月22日