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高弾性で強度20%向上、東レが新規炭素繊維を開発

高弾性で強度20%向上、東レが新規炭素繊維を開発

東レは高弾性率と強度向上を両立した新規炭素繊維を開発した

東レは11日、高弾性率を維持しながら、強度を約20%高めた新規炭素繊維「トレカM46X」を開発したと発表した。今後、釣りざおや自転車、ゴルフシャフトなどのスポーツ用途をはじめ、幅広い用途開拓を進める。2024年度に市場投入予定。

弾性率350ギガパスカル(ギガは10億)以上の高弾性率炭素繊維において、高弾性率を保ったまま強度を上げることは技術難易度が高く、大きな課題とされてきた。繊維内部の黒鉛結晶構造を超微細かつ超高配向にナノレベルで制御することにより、新規炭素繊維を開発した。

同開発品に、東レ独自の革新的微細構造制御技術「ナノアロイ」をマトリックス樹脂に適用した、トレカM46Xプリプレグも同時展開する。圧縮強度が大幅に向上し、部材の強度を維持したまま高剛性化が可能になるため、製品の軽量化や設計自由度の広がりなどが期待できる。


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日刊工業新聞 2024年01月12日

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