「スペーシア」「タント」「シエンタ」…改良車種が上位躍進、23年新車販売は9車種が10万台超
改良車種、上位に躍進
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が11日発表した2023年の車名別新車販売によると、ホンダの軽自動車「N―BOX(エヌボックス)」が前年比14・4%増の23万1385台で2年連続の首位となった。前年と同じくN―BOXが20万台を超え、そのほか8車種が10万台を超えた。2位は前年と同じトヨタ自動車の小型車「ヤリス」、3位は前年から順位を三つ上げたダイハツ工業の軽「タント」となった。
半導体不足の解消が進んで生産が回復し、上位30車種中の21車種の販売が前年を上回った。22年に前年を上回ったのは上位30車種中で12車種のみだった。
上位で目立つのはフルモデルチェンジや一部改良した車種。軽自動車では23年10月にN―BOX、同11月にスズキの軽「スペーシア」、22年10月にタントが新型車を発売。登録車では22年8月にトヨタ「シエンタ」が新型車を投入。同月にヤリス、23年10月にトヨタ「カローラクロス」が一部改良した。カローラは同1月に「GRカローラ」も投入した。同月に新型を投入したトヨタのハイブリッド車(HV)「プリウス」は前年比3・0倍に販売を伸ばし、10位に食い込んだ。
24年は全体として生産と販売の回復が続くとみられるが、ダイハツが認証不正問題で国内生産を停止しているため、マイナスの影響が懸念される。
23年12月単月の新車販売はN―BOXが前年同月比17・4%増の1万9681台で5カ月連続で首位となった。2位はヤリスが同27・4%増の1万4255台、3位は同3・0%減のタントが1万1792台、4位カローラが同1・9%増の1万1411台。4位までは23年通年と同じ順位だった。
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日刊工業新聞 2024年01月12日