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電力削減効果は年数十億円…光情報伝送のエネルギー半減、近畿大が新技術実証

電力削減効果は年数十億円…光情報伝送のエネルギー半減、近畿大が新技術実証

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近畿大学産業理工学部電気電子工学科は、エネルギー効率が高い光情報伝送技術を実証した。情報通信のインフラ技術として使われている光通信用受信機での信号の復元機能を拡張。条件次第でエネルギー効率が従来の2倍になる情報伝送性能を確認した。光情報通信に使うエネルギーの使用量が膨らんでいることを踏まえ、消費電力の削減や地域の情報格差解消につながると期待される。

成果が国際標準技術として採択され、日本全国に適用された場合、電力料金の削減だけで年間数十億円規模の経済効果があると試算している。

近畿大は同じ送信情報量に対して必要になる光エネルギーを削減できる光信号生成方法を採用し、受信回路の構造を工夫した。情報伝送速度を半減させた場合、従来方式と同一の伝送条件で光エネルギーを4分の1に減らしても、受信機で誤って判定する確率を10万分の1程度にとどめることで通信品質を維持。情報伝送に必要なエネルギーを半減できることを確認した。

Wi―Fi(ワイファイ)や携帯電話サービスがブロードバンド通信の主流となっている現在でも、光ファイバーアクセスネットワークシステムは世界中で通信インフラの基盤となっている。一方、情報通信技術(ICT)需要の高まりとともに、ICTシステムのエネルギー消費量の削減が社会課題となっている。

光通信工学を含む光波工学分野の米科学誌ジャーナル・オブ・ライトウェーブ・テクノロジーに掲載された。

日刊工業新聞 2023年12月26日

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