立体映像に活用!「円偏光」生み出す発光有機ダイオード開発
近畿大学の今井喜胤教授や大阪公立大学の八木繁幸教授らは、立体映像を作る際に必要ならせん状に進む光「円偏光」を生み出す有機発光ダイオードを開発した。安価でエネルギー効率が高い発光材料「TADF分子」を活用。開発したダイオードに磁力を加えることで、緑色の円偏光の発生に成功した。フルカラー3次元(3D)表示用有機ELディスプレーの製造やセキュリティー認証技術の実用化につながる。
今回の成果で、永久磁石による磁場下において室温にダイオードを置くだけで円偏光を発生させられることが分かった。TADF分子は特殊な合成法や分離・精製技術が不要で、安価に手に入るため、ダイオードの製造コストを抑えられる可能性がある。
さらに加える磁力の方向を変えることで、右回転と左回転の円偏光を選んで取り出すことにも成功した。
成果は国際的な科学誌フロンティアズ・イン・ケミストリー・ナノサイエンス電子版に掲載された。
日刊工業新聞 2023年10月25日