製品高さ1-2割抑制、日本航空電子が半導体装置など向け「サーボ加速度計」小型化
日本航空電子工業は半導体製造装置など向けのサーボ加速度計を試作した。同社従来製品が持つ低ノイズといった性能を保ちつつ、製品の高さを1―2割抑えたことで、空間の有効活用に貢献する。半導体製造装置の振動を正確に把握したいメーカーの需要を取り込むとともに、フラットパネルディスプレー(FPD)製造装置や地震観測での活用も見込む。2024年度内をめどに発売を目指し、価格は個別見積もりを想定する。
試作品は従来品「JA―40GA」の後継機の位置付け。小型化の需要を踏まえて開発した。製品の大きさは公開していないが、設計などの工夫を通じて製品の高さを抑え、小型化を実現した。隙間など、これまでは設置が難しかった空間にも置ける点を訴求する。
JA―40GAはノイズの影響を受けにくい点が特徴で、正確な振動を計測できるほか、寿命の長さも強みとする。こうした性能を試作品に引き継いだ。子会社である信州航空電子(長野県松川町)での生産を計画する。
サーボ加速度計は装置周辺の床や、対象物が搭載されている台などに取り付けて揺れを計測する。半導体製造では露光装置や検査装置などに使われている。日本航空電子工業の加速度計は国内半導体製造装置メーカーなどに採用実績がある。半導体製造装置メーカーは微小な振動を検出して対策を講じることで半導体の微細化の需要に対応している。
日本航空電子工業は今後、試作品の改良を続けていく。航機営業本部の中谷聡マネージャーは「顧客のニーズを聞きながら(試作品の)方向性を考えていきたい」と話した。
同社は従来、航空宇宙業界向けを中心に加速度計を展開してきた。同業界で培った技術を他業界向けにも活用している。航機事業での23年度の売上高は前年度比9・9%増の210億円を見込む。
日刊工業新聞 2023年12月25日