ニュースイッチ

トヨタ九州の工場で試験…都市ガス・水素切替運転が可能、IHI汎用ボイラが小型機開発

トヨタ九州の工場で試験…都市ガス・水素切替運転が可能、IHI汎用ボイラが小型機開発

水素混焼ボイラの評価試験機

IHI汎用ボイラ(東京都江東区、高柳英司社長)は19日、都市ガス専焼と水素混焼に切替運転が可能な産業用小型ボイラを開発したと発表した。二つの燃焼方式を選択できることで、水素燃料の調達計画に応じて柔軟に運用できる。今後、自動車メーカーの工場での運用評価を通じて、水素混焼比率の拡大や低窒素酸化物(NOx)化に取り組み、2024年の販売開始を目指す。

新開発のボイラは、工場内で使われる蒸気を製造するボイラで自動車や食料品、製紙、石油化学で使用されている自社製貫流ボイラを基に開発した。

盤面の操作だけで水素混焼と都市ガス専焼のモードを切り替えて運転できる。水素の供給量に合わせて柔軟にボイラを稼働できるため、ラインを止めずに熱源を供給可能。計画的な二酸化炭素(CO2)排出量削減を実現する。

24年1月から、トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)の宮田工場(同)内に発生蒸気量750キログラムの試験機を設置し、工場敷地で生成した水素を燃料に使う運用評価試験を開始する。


【関連記事】 トヨタグループも注目、熱源を操り省エネを実現する愛知の実力企業
日刊工業新聞 2023年12月20日

編集部のおすすめ