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半導体・ディスプレー…ダイセルが電子デバイスで海外攻める、売上高比率5割以上に

ダイセルは電子デバイス関連材料の海外販売を拡大する。半導体や電子部品、ディスプレー、センシングなどを担当するスマートSBUの海外売上高比率は現状約2割だが、2030年度に5割以上まで伸ばす。国内がメーンだった電子材料向け溶剤などで海外にも販路を拡大。既に海外販売比率の高いディスプレー向け機能フィルムなどとともに、海外市場の開拓を成長領域と位置付ける。

同社は欧米向けに電子材料向け溶剤のサンプル出荷を始めた。電子材料向け溶剤は主力販売先であるフォトレジストメーカーが国内中心で、供給能力も限られていたため国内販売が大半だった。ただ大竹工場(広島県大竹市)で増強していた設備が23年に稼働したことから供給能力に余力が出たため、半導体関連での投資が拡大する米国や欧州、韓国、台湾などでの拡販にも力を入れる。

ダイセルの海外拠点のほか海外商社などを活用し、市場調査や拡販活動をすでに開始。サンプルの供給を始めている。現地企業からは良い評価を得られているとし、「もっと欲しいと言われる」と小島昭男執行役員スマートSBU長は手応えを話す。また電子材料向け溶剤も、24年度以降の本格販売を目指す。

一方、ディスプレー材料に使用される光学フィルム用酢酸セルロース(TAC)については、数年前から韓国や台湾などへの売り込みを本格化しており、22年から韓国や台湾向け販売が拡大。現地でのシェアが高まるなど成果も出始めている。

日刊工業新聞 2023年12月12日

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