ニュースイッチ

産総研とダイセルが開発、大気中のCO2を回収する「イオン液体分離膜」の仕組み

産総研とダイセルが開発、大気中のCO2を回収する「イオン液体分離膜」の仕組み

イオン液体を用いた分離膜による大気中CO2の分離回収(産総研提供)

産業技術総合研究所の河野雄樹主任研究員と金久保光央研究部門付、牧野貴至研究グループ長はダイセルと共同で、大気中のような希薄な二酸化炭素(CO2)を回収する技術を開発した。イオン液体を染みこませた膜にCO2を選択的に透過させる。CO2と窒素の透過率比率は1万倍以上になる。

直接大気捕集(DAC)システムとして実用化する。

2種類のイオン液体を混合してCO2の選択性を高めた。まずイオン液体のアミンがCO2と反応してカルバミン酸を作る。カルバミン酸と二つ目のイオン液体が相互作用する。

この混合イオン液体を薄膜に染みこませると、ガス供給側でCO2が膜に取り込まれ減圧側で放出する。

CO2の透過率は窒素の1万倍以上、0・04%のCO2を70%まで濃縮できた。100度C以下で稼働する。今後DAC用の膜モジュールを開発する。

日刊工業新聞 2022年11月17日

編集部のおすすめ