コンクリートの初期強度発現性改善、戸田建設が長距離圧送向け助剤開発
戸田建設は西松建設、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(東京都台東区、吉武治社長)、北斗工業(神奈川県横須賀市、山口次郎社長)と共同で、ポンプ車によるコンクリートの長距離圧送向けの圧送助剤を開発した。施工現場でアジテーター車に添加・撹拌することで、コンクリートの初期強度の発現を大幅に遅らせることなく圧送性を確保できる。今後、施工条件に合わせて適用し、コンクリート品質の確保につなげる。
従来の圧送助剤と同様、コンクリートの凝結遅延性を制御するとともに、コンクリート材料の分散性を制御することで圧送性を確保しつつ、初期強度の発現性を改善した。解砕性のシートで包装した粉体系の圧送助剤で、パック計量により容易にアジテーター車に添加・撹拌できる。
新開発のポンプ圧送助剤を使って、圧送距離1000メートル(水平換算距離)を超える長距離圧送施工を実施し効果を確認した。圧送条件が厳しい9月初旬の暑中環境(最高気温35度C)での施工だったにもかかわらず、配管閉塞(へいそく)などの不具合が生じなかった。筒先から排出された圧送後のコンクリートについても、流動性を大きく損なわずに圧送を完了できた。
日刊工業新聞 2023年12月08日