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三菱電機などが世界初開発、ポスト5G向け基地局用窒化ガリウム増幅器の性能

三菱電機などが世界初開発、ポスト5G向け基地局用窒化ガリウム増幅器の性能

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三菱電機と湘南工科大学は、ポスト第5世代通信(5G)に向け、高周波の入力信号を人工知能(AI)でデジタル制御する機能を搭載した、基地局に実装する窒化ガリウム製増幅器を共同で開発した。業界水準を満たす性能を確認。高品質なデータの大量送信と、複数の通信事業者が共同運用できる基地局のシェアリングに貢献する。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一環で開発した。

AIデジタル制御機能を備えたポスト5G向け基地局用の窒化ガリウム増幅器は世界初という。広帯域で動作させるため、従来の1入力型構成から2入力型構成へ変更。さらに独自の評価関数に基づき、増幅部への二つの高周波入力信号を三菱電機のAI技術などを使って最適に制御した。

これでポスト5Gで求められる動作効率40%以上を維持しながら、業界水準のひずみ性能マイナス45dBcと、動作周波数の帯域幅4000メガヘルツ(メガは100万)を両立した窒化ガリウム増幅器の動作を実証した。

また、二つの入力端子を備えた同増幅器の性能を短時間で評価する高速評価システムも構築した。市販の測定器を制御する独自プログラムを考案し、従来比100分の1以下となる30秒以下で評価できるようにした。

三菱電機は2028年以降に同増幅器の実用化を目指す。29日にパシフィコ横浜(横浜市西区)で開幕する「マイクロウェーブ展2023」に出展する。


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日刊工業新聞 2023年11月28日

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