三菱電機が産業用ロボットで攻勢、20Kg可搬など新機種
三菱電機は2024年中に産業用ロボット「MELFA」の新機種を投入する。現在3機種で展開する「CRシリーズ」に、可搬質量が大きい3機種を加えて顧客の多様なニーズに応える。別シリーズでも性能を大幅に向上した機種を24年内に展開する。製品群の拡充を通じて、生産性向上のほか、深刻化する人手不足などを背景に生産現場で高まる自動化ニーズを取り込む。
CRシリーズはコンパクトな形状で特定用途の自動化に適した産業用ロボット。現在は垂直多関節型の可搬質量8キログラム、水平多関節型では同3キログラムと同6キログラムの3機種。新たに24年内に垂直多関節型で同12キログラム、水平多関節型では同10キログラムと同20キログラムの機種を追加し、全6機種に増やす。
可搬質量が大きい機種の拡充で、人手に頼っていた組み立て作業などをロボットに代替したいニーズをつかむ。自動車の電子化に伴う電子部品の搭載量アップなどを背景に、ロボットの採用増が見込まれる電子・電気部品業界にも訴求する。
また耐環境性能が高く幅広い用途に利用できる「FRシリーズ」も性能向上で競争力を高める。同社従来機種比でサイクルタイムを最大30%短縮した。コンピューターの指令に基づくロボットの軌跡精度も最大80%向上。これに伴い加工対象物(ワーク)の高品位加工などにつなげられる。
これまで三菱電機が培ってきたロボット制御技術に加え、サーボやシーケンサーなど工場自動化(FA)機器の制御技術に関する知見を産業用ロボットのコントローラーに応用したことで性能向上につなげたという。
同社は29日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕する「2023国際ロボット展」にこれらのロボットを参考出品する。
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日刊工業新聞 2023年11月17日