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躯体費用低減・工期短縮…超高層ビルコンクリ杭で新工法、清水建設が開発

躯体費用低減・工期短縮…超高層ビルコンクリ杭で新工法、清水建設が開発

実証実験で、震度7相当の応力負荷をかけても耐力を維持していることを確認

清水建設は超高層ビルの場所打ちコンクリート杭工法で、地震時の杭への伝達応力を低減した「スリムパイルヘッド構法」を開発した。杭と基礎の間に円形で扁平(へんぺい)の鉄筋コンクリート部分を設けて杭頭部と基礎部の固定度を半剛状態とし、杭と基礎の接地面積を半減させた。杭や地中梁(はり)の鉄筋数量などを減らして基礎部分の躯体(くたい)費用を低減できるほか、地中梁の配筋の手間の軽減により工期短縮を図れる。

スリムパイルヘッド構法は、杭頭部と基礎部の間に半剛接合部と呼ばれるコンクリート製の扁平断面部位を設けて半剛状態とし、杭頭部に生じる曲げ応力を低減する。半剛接合部は杭頭断面の約2分の1の面積で、外周部に枠鋼管を設けている。

杭頭部には半剛接合部での集中軸力の発生による杭頭部コンクリートの割裂防止のために、井桁(いげた)状の補強筋を配筋。基礎部と半剛接合部、杭頭部断面の中央部に接合定着筋を集約配筋し、杭頭部の曲げ応力を基礎部に緩和して伝達する。

同社の技術研究所で、大きさが3分の1のモックアップを使って実証実験を実施した。震度7相当の応力負荷をかけても耐力を維持していることを確認した。

日刊工業新聞 2023年11月28日

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