高速道路のコンクリ床版撤去、工事時間2割削する清水建設の新工法の仕組み
清水建設は既設高速道路のコンクリート床版撤去工事を効率化する新工法「床版クールカット工法」を開発した。水平と鉛直の切断に対応できるユニット型のワイヤソー切断装置を使い、コンクリート床版と鋼桁の接合部を床版上から橋軸の直角方向に水平切断する。鋼桁とコンクリート床版を一体化した「合成桁」の床版取替工事で、一般的な鋼桁と床版の接合部を切断する前に桁間の床版を先行撤去する作業を省略できる。切断装置による設置・移動時間の低減を含め、従来工法比で工事時間を約20%削減できるとみている。
従来、合成桁の床版取替工事は、既設コンクリート床版の撤去時間が全作業の約30%を占め、作業の効率化が課題だった。同社は合成桁の床版撤去工事に新工法の適用を提案し、高速道路の老朽化で需要が増加する大規模更新工事の生産性向上につなげる。
新工法に利用するワイヤソー切断装置「基礎躯体クールカット」は、主に基礎構造物のブロック切断を効率化するために開発された。
日刊工業新聞 2022年12月30日