「ダイヤ復旧」AIで高精度に、JR西日本が実用化へ
スマートロッカーは拡大
JR西日本は人工知能(AI)やスマート化技術などの先端技術を応用し、業務品質向上やサービス拡充を進める。災害などで鉄道の運転に遅れが生じたとき、AIを活用し経験の差によるダイヤ復旧の精度のバラつきを縮小させる方針で、数年内の実用化を目指している。また、電子商取引(EC)サイトで購入した商品を駅で受け取ることができるスマートロッカーのサービス「ピクラク」では、利用客が預けた荷物を宿泊先に配送するオーバーツーリズム対策などへの拡大を検討する。
AIのダイヤ復旧への活用は仮想線区をモデルに構築した基本のAIに、実在線区をモデル化して指令員のノウハウを学習させて精度を高めたり、さまざまな線区で使えるような実用的なソリューション構築を図ったりしている。AIシミュレーションによるダイヤ復旧の案は指令員の案に近づいており、実場面で使えるシステム設計や機能追加を行う。
AI活用で業務をデジタル化できればダイヤ復旧作業の質の向上が見込める。将来的にはJR西以外の鉄道会社への外販を目指す。
ピクラクは近畿4駅に設置してECサイト「コストコ」の商品を扱い、月間数十件の利用がある。生活動線上で商品を受け取れ、物流事業者の負担軽減につながるサービスとしてテナントや設置台数の拡大を目指す。
さらに荷物を預かりホテルなどに配送して利用客の手ぶらでの観光につなげ、大型荷物で交通機関が混雑する課題解決を図る。
日刊工業新聞 2023年11月27日