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大学院DS研究科2.5倍の100人に…滋賀大が掲げた思い切った目標の根拠

大学院DS研究科2.5倍の100人に…滋賀大が掲げた思い切った目標の根拠

企業から派遣された社会人学生も多い

滋賀大学はデータサイエンス(DS)学部・大学院DS研究科を増強する。大学院DS研究科の修士課程の入学定員を2029年度までに現在の2・5倍となる100人に引き上げる。企業からの派遣で学ぶ人が多い点を反映する。また25年度にDS学部の定員を同1・5倍の150人にし、高等専門学校からの編入も始める。文理融合分野に重心をシフトし、少子化時代に規模拡大を実現するモデルを確立する。

大学院DS研究科修士課程の現在の定員は40人。企業派遣と内部進学の志願者が同程度で、入試の競争率は2倍程度となっている。あいおいニッセイ同和損害保険が5年間に一人ずつ派遣しているほか、帝国データバンク、マクロミル(東京都港区)

社会人が中心の博士課程学生も増加が見込めるため、定員を同3人から31年までに8人にする。文部科学省の事業支援により、DS部局の教員数は同1・4倍の40人となる予定で国内最大規模となる。

DS学部の定員50人増は、経済学部の定員減で対応する。

滋賀大は経済学部・同研究科を土台に、全国初のDS学部を17年度、大学院を19年度に開設した。

日刊工業新聞 2023年11月21日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
大学院生1・5倍はかなり思い切った数字で、定員増の分が大学の授業料収入増につながるのは魅力的です。企業などの評価が高いことから、「行ける」と踏んだわけですが、それには科学技術振興機構(JST)の戦略創造事業に採択されるなど、研究業績が高い点も影響していると聞きます。一方で少子化時代とあって国立大の学部は、全学での定員増が認められておらず、経済学部の定員を移しての増強です。経済学部の定員はDS学部発足前の75%になりますが、それでも1学年410人と国立大の中で最大規模の陣容なのだそうです。

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