「ギガキャスト」普及見据え…ダイカスト金型長寿命化、小出製作所が表面処理受託事業
小出製作所(静岡県磐田市、小出悟社長)は、ダイカスト金型の耐用性を2―3割向上する表面処理「コーキャスケア」の受託加工事業を始めた。金型メーカーの自社技術を応用して開発した技術で、大物部品を一体成形する「ギガキャスト」の普及を見据え、大型のダイカスト金型に同処理を提案する。同事業で2027年8月期に売上高1億円を目指す。
受け入れ可能な金型サイズは幅800ミリ×長さ1200ミリ×高さ900ミリメートルで、「静岡県西部では最大級」(小長井俊男執行役員)という。重量は最大1350キログラムに対応する。
小出製作所は、一般的に10万ショットと言われるダイカスト金型の長寿命化に向けて破損要因である金型の割れ対策の表面処理を研究してきた。22年から研究成果を応用し、金型に溶湯を送る「スリーブ」の表面をショットピーニングとガス軟窒化処理で強化する事業を始めた。コーキャスケアは両加工に加え、酸化皮膜で金型の表面を強化・保護する。
ガス軟窒化やショットピーニングは自社の設備で行い、酸化皮膜は協力会社と連携する。受託する際には金型の状態を診断し、3工法の組み合わせや順番を含めて最適な表面処理法を提案する。
日刊工業新聞 2023年11月09日