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エネルギー密度1.6倍、東大がコバルトフリーリチウム電池で実現

エネルギー密度1.6倍、東大がコバルトフリーリチウム電池で実現

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東京大学のコ・ソンジェ助教と山田淳夫教授らは、コバルトを使わないリチウムイオン電池(LiB)でエネルギー密度を1・6倍に向上させることに成功した。電解液の副反応を防ぎ、電池寿命を延ばす設計指針を確立した。コバルトは高価で供給に偏りがある。資源リスクの低い高性能電池につながる。

リチウム・ニッケル・マンガン酸化物を正極に、ケイ素酸化物を負極に用いて電池を構成する。電解液に応じて電極電位がずれる現象を利用し、電解液が安定な範囲に両電極の反応電位を収める。

電解液の分解を防いで長寿命化できた。さらにリチウム塩の濃度を高め、負極が膨張収縮を繰り返してもひび割れない保護膜を作れた。実験では1000回充放電を繰り返しても初期容量の8割を維持できた。

電極電位をずらして安定な範囲に収める設計指針を確立できた。リチウム・ニッケル・マンガン酸化物とケイ素酸化物の組み合わせは理想的な電池構成とされ、長年研究されてきたが実現していなかった。既知のリチウム塩や溶媒で安定動作でき、設計指針の有用性を実証した。コバルトは鉱山での児童労働の問題があった。コバルトを使わなくて済むとコストや資源リスクを抑えられる。


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日刊工業新聞 2023年10月20日

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