マグネシウムという金属の特徴は？と聞かれて応えられる一般人はごく少ない。そして実は産業界でもまだあまり知られていないのが現状だ。そこで、自社が加工する“マグネシウム”の可能性を広くPRするべく、BtoCのオリジナル製品開発に力を入れてきたのがマクルウだ。マグネシウムの特徴を自然に生かした製品群は余暇を楽しむためのグッズや生活を彩るインテリア、福祉関連製品など幅広い。

銀座 蔦屋書店に工場発「モノづくり」ポップアップショップが出現！18社・約70製品が集結

【無電源で持ち歩き自由のスピーカー】
　まず、同社の自社製品の中でも人気製品は「バイオン－Mg 60」（以下バイオン）だ。マグネシウム製のスマートフォン用無電源スピーカーで、使用方法は上部に空いた長方形の穴にスマートフォンを差し込み、音楽再生するだけ。 マグネシウムの持つ高い振動吸収性とそれを最大限に生かす設計で、鮮明な音が響く。
　「当社では主にマグネシウム合金の引き抜き加工をはじめとした塑性加工技術を有しており、特にパイプの曲げや溶接の技術に自信があります。『バイオン』は一見単純な構造に見えますが、板厚や穴をあける位置や数などよりよく音が響く形を探るべく試作を繰り返しています」―そう説明するのはマクルウの安倍信貴常務。バイオンはその音の響きとともに、電源は不要であり、マグネシウム特有の軽さから総重量はわずか３００ｇ。室内外に関わらず持ち運び音楽を楽しめる。洗面所やキッチンなど、水がとびはねやすい場所、もしくはアウトドアなどにうってつけだ。

【インテリアを邪魔しない、軽量ステップスツール】
　その他、前述のようなマグネシウムの圧倒的な“軽さ”に着目した製品もある。それが「Light tempo ステップスツール」だ。一見すると下に物入スペースのついた簡単なスツール（腰掛）に見えるが、実はこの物入に見える部分を引き出すと段差となり、スツールが一転して階段となる。高い場所のものを取るときなどに便利だ。

こちらの重量は2.95kg、耐荷重は80kg。マグネシウムは軽いだけではなく、比強度（同じ重さで比べたときの強度）も高い。その性能がこの見た目にも繊細なスツールに頑強さを与えている。最近では新潟県にあるニットメーカーとコラボレーションしてマグネシウムのパイプとニットの座面を組み合わせたインテリア性の高い超軽量折りたたみ椅子の開発にも挑戦中だ。

「マグネシウムの良さは軽さ、頑丈さの他にリサイクルのしやすさなど、さまざまな利点があります。しかしその利点を理解していただけなければ、当社へのご依頼もない。ならば自分たちで製品を作って仕事そのものを作ってしまおう！というのがスタートでした。現在ではドローンやパラリンピックでも使用された車いすのハンドリムなど、さまざまな開発案件をいただけるようになりました」（安倍常務）。

　マグネシウムの可能性を広げるべく奮闘してきた同社だが、最近ではマグネシウムの「リサイクルのしやすさ」に改めて着目。同社内で出たマグネシウムのスクラップ材を使い、パイプ自体を内製化するリサイクルの押し出し加工技術の確立にも取り組む。時代の変化に伴い、マグネシウムの注目度は上がっている。未来の金属の可能性は無限大なのだ。

商品情報

商品名：バイオン-Mg60
　用途：スマートフォン用スピーカー
　サイズ：W360×D60×H63 mm
　価格（税込）：9,680 円（税込）
　販売サイト：http://macrw.com/

企業紹介

（株）マクルウ　MACRW CO.,LTD.
所在：〒418-0023　静岡県富士宮市山本286-1
従業員数：7名
事業内容：マグネシウム合金パイプ加工技術（ 曲げ加工、溶接など）

FACTORY’S GOODs　詳細情報

ポップアップショップ　＠銀座 蔦屋書店
会期：2023年 11月3日（金・祝）〜4日（土）12:00～20:00（最終日は19:00）
会場：銀座 蔦屋書店　GINZA ATRIUM （東京都中央区銀座6丁目10−1　GINZA SIX 6F）
https://store.tsite.jp/ginza/
入場登録：不要
入場料：無料

店頭タイアップによるフェア　＠銀座 蔦屋書店
会期：2023年10月21日（土）～11月５日（日）　10：30～21：00
会場：銀座 蔦屋書店　（東京都中央区銀座6丁目10-1　GINZA SIX 6F）EATALY側展示台
https://store.tsite.jp/ginza/

技術展示&ポップアップショップ　＠東京ビッグサイト
会期：2023年 11月29日（水）〜12月1日（金）10:00～17:00
会場：東京ビッグサイト　西2ホール （G-01）（東京都江東区有明3-11-1）
入場登録：要（詳細は https://autumnfair.nikkan.co.jp/ 参照）
入場料：1,000円（入場登録者、招待状持参者、中学生以下無料）

特設Webサイト：https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/

展示会スポンサー

株式会社ソディック
　株式会社青山財産ネットワークス
　日進工具株式会社
　牧野フライス精機株式会社
　碌々スマートテクノロジー株式会社
　一般社団法人日本工作機械工業会
　株式会社アマダ
　モノづくり日本会議