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伝送容量2倍…住友電工が業界初の量産「マルチコア光ファイバー」の実力

住友電気工業は光ファイバー1本の中に光信号の通り道であるコアを2本設けて光ファイバー1本当たりの光信号伝送容量を2倍に増やす低損失型のマルチコア光ファイバーを開発し、量産と販売を始めた。複数のコアを内蔵するマルチコアファイバーを量産するのは業界初だとしている。第5世代通信(5G)や大規模なデータセンター(DC)の普及などに伴う通信の大容量化需要を開拓する。

マルチコア光ファイバーの断面

従来製品と同じサイズの光ファイバーに純石英ガラスのコアを2本備え、それぞれのコアで独立に光信号を送れる。伝送の損失値は1キロメートル当たり0・158デシベルで、大洋横断海底光ケーブルに適用可能な極低損失ファイバーに分類される。

5GやDCのほか大洋横断の海底、大陸横断、量子暗号通信の伝送路、地震探知や火災検知などのセンサーなど、高度な極低損失の特性が求められる光通信の用途を開拓する。


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日刊工業新聞 2023年10月17日

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