セブン&アイ・ローソン…コンビニの上期、過去最高益が相次いだ背景
国内のコンビニエンスストア事業が好調だ。セブン&アイ・ホールディングス(HD)とローソン、ファミリーマートの2023年3―8月期連結決算が出そろい、上期での過去最高益が相次いだ。新型コロナウイルス感染症の「5類」移行で人流回復が進み、各社がプライベートブランド(PB)やキャンペーンの展開強化で需要を取り込んだ。原材料・燃料が高騰する中、コストコントロールにより利益を押し上げており、通期も堅調な業績を確保する見通し。
上期の営業・経常利益が過去最高となったセブン&アイHDの井阪隆一社長は「国内の店舗への客数・単価も向上し、日販(店舗当たり平均売上高)は4・7%増で70万円を超えた」と強調。ローソンも過去最高益で竹増貞信社長は「インフレの中で(増量をアピールする)企画『盛りすぎチャレンジ』などが好評だった」と好調さを説明した。
下期についてファミリーマートの浦島宣哉取締役常務執行役員は「原材料や円安など読みにくいが、PB『ファミマル』で差別化するなど品ぞろえを拡充する」と述べた。また、竹増ローソン社長は「12月から店舗への配送の2便化を本格導入する」とし、「物流の2024年問題」対応や環境対策に寄与することに期待する。
日刊工業新聞 2023年10月16日