ニュースイッチ

EV普及「マイナス影響」半数…自動車関連企業で増す不安

自動車産業の電気自動車(EV)シフトで悪影響が出るとみる国内の自動車関連企業が増えている。帝国データバンク(TDB)が自動車関連企業を対象に行った調査によると、EVの普及が自動車産業に「マイナスの影響」があると回答した割合は全体の49・2%に上った。2022年の調査から2・7ポイント増えた。一方、「プラスの影響」があると答えた割合は、同年の調査から2・2ポイント減り14・3%だった。

自動車関連企業におけるEV普及による影響

調査は7月18―31日に実施した。EV普及の影響について国内の1万1265社から回答を得た。そのうち、部品メーカー、小売り、整備をはじめとする自動車関連企業は315社を対象にした。

全業種を対象にした調査では、EVの普及が「プラスの影響」と答えた割合は11・1%、「マイナスの影響」と答えた割合は13・6%にとどまった。

自動車関連企業にEV事業への参入について質問したところ、「3年以上前から該当する事業がある」が15・6%、「3年以内に新規事業として参入済み」が6・3%、「参入予定がある」が22・2%だった。約44%がEV市場に関わる意向を持っている一方で、「参入予定なし」は30・8%に上った。

TDBは「今回の調査で(自動車業界の)川上から川下まで多くの企業でマイナスの影響があることが分かった」とした。その上で「(部品点数が大きく減る一方で)バッテリーやモーターなど需要が増加する部品もある。充電ステーションなど新たなサービスもありビジネスチャンスは広がっている」と指摘する。

日刊工業新聞 2023年10月10日

編集部のおすすめ