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日産・ホンダ・三菱自・マツダは前年割れ…中国市場の販売不振で自動車生産伸び鈍化

乗用車メーカー8社が28日発表した8月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比0・9%増の205万5906台だった。7カ月連続のプラスとなったが、日産自動車ホンダ三菱自動車マツダの4社は前年同月を下回った。8社全体の前年同月比の伸び率は7月の1・0%から横ばいの低水準となっており、世界生産の回復ペースは鈍化している。

8社合計の世界生産の伸びが鈍化した大きな要因は中国市場における販売不振だ。日産は8月の中国の生産が前年同月比43・5%減の5万3331台で4カ月連続の減少、ホンダは同30・9%減の8万8847台で3カ月連続の減少、三菱自は3月から中国工場の稼働を停止したままで、生産撤退を視野に現地パートナーと交渉を続けている。

マツダは8月の海外生産は増えたが、台風による工場停止、スポーツ多目的車(SUV)「CX―5」の改良に伴う生産減、北米向けSUV「CX―9」の販売終了といった要因で国内生産が減少した。

一方、トヨタ自動車は中国やタイなどの生産の減少を、国内や北米などの増加が上回り、8月の世界生産は同4・1%増の79万8771台と過去最高を更新。前年同月比のプラスは8カ月連続となった。ダイハツ工業スズキは国内生産が、SUBARU(スバル)は海外生産が伸びた。

国内は8月の8社合計の生産台数が同10・1%増の60万7639台で8カ月連続の増加。同じく販売台数は同17・5%増の30万9826台で12カ月連続の増加となった。コロナ禍の影響と半導体などの部品不足の状況が緩和して、生産・販売の回復が進んでいる。

日刊工業新聞 2023年09月29日

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